11月に実施された行政書士試験。何と言っても記述式の採点です。合否を左右するのに、採点基準はブラックボックス。
そこで無料で記述式を採点する大手予備校ならびに、記述式の試験講評をまとめます。
合否予想の参考にしてください
記述式の無料採点する予備校(学校)
LEC行政書士講座→記述式無料採点あり(期間限定)
行政書士試験の指導歴が41年という、レジェンド的予備校・LEC行政書士講座です。
LEC行政書士講座では、「無料成績診断」の中で記述式の無料採点を実施します。
完全無料ですが、期間限定での採点サービスです。
| スケジュール | LEC無料成績診断 |
|---|---|
| 登録期間 | 2025年11月9日(日)18:00~ 2025年11月16日(日)23:59 |
| 成績結果 閲覧期間 | 2025年12月3日(水)18:00~ 2026年1月25日(日)23:59(予定) |
| 公式サイト | LEC無料成績診断 |

フォーサイト行政書士講座→記述式自動採点あり
令和6年度の合格率が49.4%[1](全国平均の3.83 倍、累計受講者数8万人を突破)という高い合格実績のフォーサイトの記述式採点サービス(「自己採点」)です。
LECと違い、あらかじめ用意されたキーワードに合致すれば得点が付き、最終的に予想得点が分かる仕組みです。
実際の行政書士試験での記述式の採点基準は非公開ですが、数万人が受験しますから、やはり「キーワード方式」を採用しているはず。なので、フォーサイトの採点方法は納得です。

TAC行政書士講座→記述式無料採点あり(期間限定)
こちらもLECと同じく、無料成績診断サービス(TACデータリサーチ、と呼ぶ)の中で記述式の採点を行います。
採点と分析の結果の閲覧開始はLECと同じく12月に入ってから。合格ライン付記の方は悶々(もんもん)とするかもしれませんが、時間を無駄にしないように。
| スケジュール | TACデータリサーチ |
|---|---|
| 登録期間 | 2025年11月9日(日)17:00~ 2025年11月19日(水) 17:00 |
| 成績結果 閲覧期間 | 2025年12月5日(金) 13:00~ 2026年1月9日(金) 17:00(予定) |
| 公式サイト | TACデータリサーチ |
このほか記述式の無料採点を実施する予備校として、辰巳行政書士講座があります↓
元伊藤塾の山田斉明先生など講師陣による記述式採点がおすすめポイントです。
(参考)【令和7年】行政書士試験、記述式無料採点サービス、LEC・フォーサイト・TAC・辰巳講評動画・有力講師の採点予想まとめ
試験講評、記述式のキーワードは?難易度は?
ここからは合格実績の高い大手予備校(通信講座)の記述式講評をまとめます。
ネット上の当てにならない予想とは大違い。信頼度抜群!です。
フォーサイト行政書士講座
フォーサイトは、法令科目の科目別講評の中で、記述式(問44・問45・問46)の講評を行っています。
試験講評
(中略)
4.行政法(問題8~問題26、多肢選択式:問題42・問題43、記述式:問題44)
(中略)
記述式については、例年通り問題44の1問が出題されました。今年の行政法の記述式は、難しい印象です。建築主事の処分に対する抗告訴訟についての問題ですが、問題文の設定が細かく、どの部分に注意して書くべきかを迷う問題でした。全体としては、難しい問題やイレギュラーな出題は散見されるものの、条文や著名な判例を学習しておけば得点ができる分野が中心という印象です。ここ数年の傾向からしても大きな変更はないと思います。(続き、および民法記述式の解説はフォーサイト公式サイトで↓)
引用 フォーサイト行政書士講座「試験講評」
伊藤塾行政書士講座
伊藤塾行政書士講座
が運営するnoteに令和7年度の記述式分析が掲載されています(問題44・45・46)。執筆は藤田竜平講師です。
【速報版】2025年度 行政書士試験 藤田竜平講師の「全問題所感」
(中略)
問題44
「B+ランク」
・本試験の現場で見て、少しの間手が止まった問題。
・「裁決の取消訴訟」と「Y市が被告」というキーワードはマストで書きたかったところ。
・「裁決固有の(手続上の)瑕疵」は、書けなくても仕方ない。
・もっとも、平成27年度の問題44で、「原処分主義」に関する問題が出題されていて、この過去問をしっかりと演習している方は、「裁決固有の瑕疵」というキーワードも書くことができたと考えられる。
・その意味でも、過去問演習の重要性を実感する問題。
・なお、「無効確認訴訟」と記述している答案が多かったが、あくまでも「無効確認訴訟」は、「取消訴訟」の出訴期間が過ぎてしまった場合の最後の手段なので、本問では妥当でない(問題文に出訴期間を過ぎたような記載はない)。問題45
「Cランク」
・判例の規範(フレーズ)を直接聞いてくる、判例規範型問題。
・知っていれば書けるし、知らなければまったく書けない、という点で、非常にいやらしい問題。
・本問は、「代理権があること」に対する信頼ではなく、「当該行為が当該夫婦の『日常家事の範囲内』の法律行為に属する」ということに対する信頼があるかどうか、という点がポイント。
・要するに、「高級腕時計を売却する」という行為が、AとBにとっては「日常家事の範囲内」の行為(スーパーでパンを買ったりするのと同じ行為)にあたるな、という風にCが信じることができたかどうか、ということ。
・ただ単に、Cに、「Bには代理権があるな」ということについて信頼があるだけではダメ。
・その点が記述できていれば、正確な表現でなくとも部分点が入る可能性はあり。問題46
「Bランク」
・記述式では初の「事務管理」に関する問題。
・もっとも、択一式では、事務管理は委任との比較として過去に複数回出題されている。
・そのため、択一式の過去問をしっかりと解いている方は、テーマに気づくことはできたはず。
・問題文の事案を見て、Aの消火活動は、Bに頼まれてもいないにもかかわらず行っていることから、「余計なおせっかい」であり、「これは民法上の事務管理にあたるな」という風に思考を巡らせることができればベスト(頼まれていたら、委任契約)。
・とはいえ、「有益な費用」については、なかなか解答が難しかったと思うので、半分くらいの部分点が妥当なラインか。(このほか全体講評などはnoteでご確認ください↓)
公式 note【速報版】2025年度 行政書士試験 藤田竜平講師の「全問題所感」
ユーキャン行政書士講座
ユーキャンもフォーサイトと同じく、全体講評・科目別分析・記述式の講評を行っています。
令和7年度行政書士試験速報講評
(中略)
〔記述式〕
問題44では、問題となっている瑕疵が、手続についての定めである建築基準法82条違反の瑕疵であることから、提起すべき抗告訴訟が、裁決固有の瑕疵を理由とする裁決の取消しの訴えであることを判断することが必要でした。
問題45では、日常家事債務の連帯責任(民法761条)への民法110条の類推適用という判例知識が問われました。重要判例ですが、日常家事債務自体、あまりなじみのないテーマであり、苦戦された方も多かったかもしれません。
問題46では、(続きはユーキャン公式サイトで↓)
引用 ユーキャン行政書士講座「解答速報」
東京法経学院の記述式分析
東京法経学院・行政書士講座(笠原講師)の記述式講評です。
[記述式]
ある程度学習された方であれば、問題44では「Y市を被告として」「裁決の取消しの訴え」、問題45では「夫婦の日常家事に関する法律行為の範囲内」、問題46では「事務管理者の監理継続義務」「有益…費用…償還 (請求)」というキーワードは、書けたのではないでしょうか。(続きは公式サイトで↓)
引用 令和7年度 行政書士試験講評
寺本康之先生による講評動画があります(記述式のコメントも)↓
【動画】令和7年度 行政書士試験講評、東京法経学院・寺本康之専任講師

2025/11/13
●公式サイト→ https://www.thg.co.jp/gyou/kohyo.htm
●担当講師:寺本康之 専任講師
令和7年度行政書士試験が実施されました!試験成果の検討に、また次年度の手がかりとしてご活用ください!
引用 YouTube
有力講師の分析
ここからは大手予備校の講師の方による、ブログ記事です。【参考】行政書士講師ブログ
なお、それぞれの先生独自の見解であり、所属する予備校とは関係ありません。
横溝慎一郎先生(LEC)
行政書士講師の中でも、かなりのベテラン講師。行政書士試験から「まず横溝」と合格者の私もおすすめの先生です。
2025年11月12日(水) 23時13分51秒
2025年度本試験での多肢選択・記述について感じたこと(中略)
記述式行政法(問題44)書くべき項目は3つです。
①主張しようとする瑕疵②被告
③どのような抗告訴訟
まず、抗告訴訟ですから、②被告は「Y市」ですね。無料成績診断に応募してくださった方の解答を見ましたが、ここを間違っていた人はさすがに少数派でした。
なにしろこれで4年連続被告を聞いてきたことになります。
③については、Xが裁決に手続き上の瑕疵があることから、その瑕疵を主張して抗告訴訟を提起しようとしています。したがって「裁決取消の訴え」を選択するべきでしょう。
となれば、①は「裁決固有の違法性に関する瑕疵」です。
やはり①と③に配点が大きく充てられるのではないかとみています。例えば①と③は8点ずつ、②は4点、みたいな感じです。
記述式民法(問題45)
こちらの問題は出来が悪い印象です。
最初に問題を見た時から、これは出来が良くないかもと思ったのですが、どうもその予感は当たっているような気がしています。
そもそも、この判例は、択一式でもここ15年ほど出されたことがありません。
「日常家事」というワードが書けたかどうか?「正当な理由」の対象が正しく書けたかどうか?
この辺りがポイントです。
ただそもそも日常家事の話だと気が付かなかった方も少なくないようです。(続き、問題46は公式ブログで↓)
引用 横溝先生のブログ記事
試験日から数日後に書かれた記述式分析です。
横溝先生は毎日ブログ記事を投稿されており、例年なら、今後詳細な記述式の分析記事があるはずです。
アメブロ読者なら読者登録で横溝先生の新着記事が届きますが、そうでない方は毎日追うのは厳しい。そんな方には新着記事が確認できる行政書士講師ブログがおすすめです。
【横溝先生の所感速報】2025年11月11日(火)14時から(YouTube動画)

2025/11/11 に公開予定
11/11(火)14時よりYouTubeライブ配信本試験後のアンケート( https://forms.gle/c64QsCTUgS1HBvwK9 )を元に
横溝先生から所感をお伝えします。
あなたの解いた感覚は他の受験生と比べてどうだったのか、
今年の本試験の難易度はどうだったのか…??
是非ご確認くださいませ。(中略)
<記述も採点!無料成績診断 2025年11月9日(日)18時~登録受付開始!>
https://www.lec-jp.com/gyousei/juken/…
引用 YouTube
野畑淳史先生(LEC)
LEC名古屋駅前本校の雄・野畑淳史先生です。
名古屋駅前本校の通学講座の講師から、今や全国通信クラスも担当、「行政書士 合格のトリセツ」シリーズも執筆と、鳥飛ぶ落とす勢いのトップクラスの実力は講師です。
【参考】LEC野畑淳史先生が全面執筆「合格のトリセツ 基本テキスト」購入者特典の講義動画も掲載!
速報データを踏まえた本試験講評
2025-11-11 10:56:57(中略)
記述式の採点ですが、厳しくなることが想定されます。この「厳しい」がどういう意味なのかは予備校・講師間で異なる見解となるかもしれませんが、私なりの見解を動画でお伝えしていますので、参考にしてください。
引用 野畑先生のブログ記事(アメブロ)
その講評動画(分析動画)も併せて公開されています↓レジュメ(PDF)もあります。
【LEC行政書士】25年本試験分析と結果からみる今後の過ごし方①(全体講評・記述式について)

2025/11/16
2026年11月15日(土)に実施された本試験分析会動画①(全体講評・記述式について)レジュメデータはこちら
https://drive.google.com/file/d/1IW7A…(中略)
●学習経験者の方・2026年試験に向けてリベンジを目指す方
「野畑式ビルドアップ↑コース」
https://www.lec-jp.com/gyousei/kouza/…
公式 YouTube
有山あかね先生(LEC)
スマホで行政書士S式合格講座でおなじみの有山あかね先生です。
行政書士試験のほか、宅建・マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、不動産鑑定士講座まで担当するスーパー講師です。
そんな有山あかね先生の試験分析↓です。
【動画】【行政書士】有山あかねの言いたい放題【解答速報】

2025/11/09 に公開予定 #資格 #行政書士 #行政書士試験
「有山あかねの言いたい放題」と題しまして、R7年行政書士試験の解答速報会を行います。
受験された皆さまからのコメントをお待ちしています!
引用 YouTube
解答速報掲示板

解答速報掲示板です。難易度分析や記述式の採点予想など、何でもどうぞ
受験生の方の感想
行政書士実務講座
なお、行政書士試験の合格発表は、毎年1月下旬を予定しています。
関連記事「合格ライン・合格率・試験科目・難易度・合格発表まとめ」
参考文献
-
↑
フォーサイト集計の受講生アンケートに基づくデータによる。2024年度行政書士試験のバリューセット3の受講生実績。



