「合格への近道は敵を知ること」。行政書士試験の合格を目指すならば、最初に試験の概要を知っておき、合格ラインの突破に何が必要か知ることが重要です。
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試験の実施日・合格発表日など
まず試験の概要を確認しておきましょう。
試験の実施日は11月中旬(第二日曜日が多い)
「11月の本試験日=ゴール」です。試験日から逆算して学習をスタートさせましょう。また学習計画・ペースも決めます。
スクールにより6か月前後で合格を目指す速習クラスもありますが、最近の行政書士試験は難しいので、初学者の方ならば1年ぐらいの時間をかけたいところ。
なお願書の受付期間にも注意してください。詳しくは試験を実施する「行政書士試験研究センター」でご確認ください。
公式サイト「行政書士試験研究センター(受験願書・試験案内の配布と請求方法)」
▲試験の実施について(画像は行政書士試験研究センターから)
- 窓口での受験願書配布期間 令和2年7月27日(月)から令和2年8月28日(金)まで
- 郵送による受験願書の請求も可能(令和2年7月6日(月)から令和2年8月21日(金)必着)
- 受験申込み(郵送の場合) 令和2年7月27日(月)から令和2年8月28日(金)まで。消印有効
なお、LECなど大手スクールでも願書を配布することがありますが、数に限りがあります
【出題形式】択一式と記述式
出題形式は「択一式」と「記述式」です。
「択一式」はいわゆるマークシートです。論文試験と異なり、択一式の場合だと、多少の知識の不足があっても消去法で正解できる場合があります。。
もちろん自信をもって解答することが大切です。正確な知識をインプットを!
なお2時間で60問の問題を解きます。1問当たりの解答時間は3分と余裕がありますが、解答に時間がかかる「記述式」や、文章を読む「文章理解」もあります。
できるだけ択一式で時間を稼ぎ、配点の高い記述式に時間をかけたいところです。
(「勉強する」、画像はイメージです)
合格発表日は翌年1月下旬
11月に実施される本試験ですが、合格発表日は翌年1月下旬です。
合格ラインも合格発表日までわからず、不安になる受験生の方も多いと思います。ついついネット上のSNSや掲示板等で情報を集めたくなりますが、信頼度の低い情報も出回ります。
ぜひ試験対策スクールの解答速報を利用して、自己採点後は次にステップに向かいましょう。時間を無駄にしないことが大切です。
また11月の本試験から、翌年1月下旬の合格発表までは約3か月弱あります。試験科目が重複する司法試験予備試験の短答式の合格を目指すのもおすすめです。
憲法・民法・行政法・商法会社法が共通の試験科目です。また予備試験の短答式のレベルは、行政書士試験と同じくらいか少し難しくした感じです
出題科目(出題範囲)
行政書士試験の出題科目(出題範囲)は次の2分野となります。
- 法律科目(行政書士の業務に関し必要な法令等)
- 一般知識(行政書士の業務に関連する一般知識等)
このうち法律科目は行政書士試験のメインであり(60問中46問の出題)、法律科目のマスターこそ合格への近道といえます。
その一方で受験生泣かせなのが一般知識です。60問中14問の出題数と少ないですが、合格基準点があり(後述を参照)、一般知識で門前払いになるケースがあります。
具体的な試験科目は、次の通りです
- 法律科目 憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法および基礎法学
- 一般知識 政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解
合格ライン(合格基準)と合格率まとめ
合否の判断方法(合格基準)
行政書士試験の合格ライン(合格基準)は次の通りです。
次の要件のいずれも満たした者を合格とします。
① 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50パーセント以上である者
② 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、満点の40パーセント以上である者
③ 試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者
(注) 合格基準については、試験問題の難易度を評価し、補正的措置を加えることがあります。
つまり全体で60%以上得点できれば合格です(絶対評価)
実際には絶対評価ではなく、相対評価?
このように行政書士試験は絶対評価で合格が決まる試験ですが、実際には配点の高い記述式の採点方法で調整するなど、相対評価で合格が決まる傾向があります。
また試験の難易度により、補正的措置を加え、合格ラインが変動することがあります(これは明記されています)。
したがって11月の受験後は、各スクールの無料成績診断サービス(解答速報の公開と同時に実施される)を利用して、合格可能性を探るのがおすすめです。
過去の試験の合格率は?
過去に実施された行政書士試験の合格率です。なお、行政書士試験は平成18年度から新試験制度に移行しています(難易度が上昇した)。
ぜひ合格率の推移に注目してください。
合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|
平成18年度 | 3,385人 | 4.79% |
平成19年度 | 5,631人 | 8.64% |
平成20年度 | 4,133人 | 6.47% |
平成21年度 | 6,095人 | 9.05% |
平成22年度 | 4,662人 | 6.60% |
平成23年度 | 5,337人 | 8.05% |
平成24年度 | 5,508人 | 9.19% |
平成25年度 | 5,597人 | 10.10% |
平成26年度 | 4,043 | 8.27% |
平成27年度 | 5,814人 | 13.10% |
平成28年度 | 4,084人 | 9.95% |
平成29年度 | 6,360人 | 15.72% |
平成30年度 | 4,968人 | 12.70% |
令和元度 | 4,571 | 11.50% |
合格率の特徴がお分かりなったでしょうか。1年おきに合格率が上下している傾向があります。
今年もこの傾向が続くのでしょうか?
もちろん受験生の方は6割の得点率を目指せばいいだけです。
つまり難問奇問を正解する必要はなく、「標準的な問題を確実に正解する」ことが合格を目指す上で大切です。
これには試験対策講座で勉強すればいいでしょう。
(「合格を目指す」、画像はイメージです)
効果的な学習法とは?
ここまで行政書士試験の試験科目(出題科目)などについて見てきました。
「合格ラインと合格率」でも書きましたが、受験生の方は6割の得点率(300点満点の180点以上)を目指すことが大切です。逆に言えば、120点を落としても合格の可能性があります。
気分的に楽になりますね。これで「やる気」が出るでしょう
行政書士試験は出題範囲が広いですが、過去に出題された論点が再び登場することも珍しくありません。以上のことから、次の点に注意しましょう。
- 基礎を大切にして、標準的な問題は正解する
- 過去問のマスターは必須
- 問題演習を重ねて、得点力アップを目指す
繰り返し学習も心がけてください
また法改正情報のフォローも大切です。この情報収集が結構大変です。独学でも合格は目指せますが、大手スクールの講座を利用するのがベストです。
さらに経済的理由やスケジュールなどの面からスクールを利用できない受験生の方も、模擬試験だけは受験してください。繰り返しになりますが、行政書士試験は実質的に相対評価で合格が決まります。
したがって他の受験生の方との比較、つまり成績処理(成績診断)がある模試試験で学習の進み具合を確認することは、とても大切です。
またスクールの中にはお手軽な価格で講座を提供しているところもあります。検討されるといいでしょう。